マネージャー離職に寄せて

弊社預かりのグループまちだガールズ・クワイアの担当マネージャー小松田が先月をもちまして離職しましたことをご報告申し上げます。小松田氏には心血を注いだ全力のマネージメントワークにてグループ及びメンバー達の成長に大きく寄与してくれましたこと、心より御礼申し上げる次第です。

離職の理由は大きくは健康上の問題です。私と同い年ですからもう還暦前の身体、正直色々無理をさせてしまいました。現場に出なくていいので事務仕事の内勤をとも願い出ましたが、潔く身を引くとのことでした。

小松田が離れたと言うと皆さん町ガの心配ばかりされてますけど、片腕を失ったのはこの私ですよ。

小松田に最初に出会ったのは98年くらいか、同じ事務所の後輩バンド・アップル&ペアーズ(一緒にThree Taller Hatsをやっている岡田純のバンド)のマネージャーとして機材車を豪快に運転する小柄な女子でした。僕がその事務所から離れたのが99年で、その事務所もなくなったんだか潰れたんだかしらないうちに、2000年代の後半になってヤマハの新人アーティストの育成の仕事を請け負ってヤマハに打ち合わせに行った時にそこの社員になった小松田と再会して、ちょっとだけ(色々)びっくりしました(笑)。

そのうち震災があってこの業界も色々ひっくり返ってドタバタしだして、そんな折に僕が都心の所属事務所から離れて町田に個人オフィスを作りたいと思った時に、やはり地元相模原にもどってのんびり仕事したいと言っていた小松田に電話番だけていいから手伝ってと言って町田の新産業創造センターの一室にデスク一つだけ借りて始めたのがMACHIDA SONICでした。2012年のこと。

小松田と二人で始めたオフィスで、彼女の軽自動車であちこちツアーに出ました。面白いブッキングをしてくれるので楽しみなライブが多かった思い出が多い。そんな折、傍らで手伝ってたご当地アイドルのプロジェクトがつまんない揉め事起こして崩壊し、残されたメンバー達を救済するために作ったグループがまちだガールズ・クワイアでした。当初小松田は石田のマネージャーとしてちょっと手伝うだけだからと言いながらどんどんのめり込んでいき、そのうち僕のマネージャーであることをすっかり忘れて町ガのことしかやらなくなりました。が僕的にはとても助かりましたのでそれでよかったと思っていました。

気がつけば小松田と個人事務所を作ってから13年が経過し、僕らも還暦前になってしまいました。若い頃のようには身体が言うことを聞かず老いという現実が目の前にちらつくようになり、出来ることも限界が見えてきました。

敵ばかりで理解者の少ない私にとって本当に相棒というべき存在でしたので彼女の不在はとても堪えますが、仕方ないことですので私も身体が動くうち、いつまで現役でいられるか分かりませんが、ギリギリまで頑張らなければと思う次第です。今まで本当にありがとう。

彼女の離職に伴い今後は町ガメンバー自らによるセルフマネージメントでの活動とすることとしました。結成10年と言うタイミングでこうした体制になることも一つの区切りで、ゆくゆくは自分たちで会社を立ち上げてくれるといいなと私は思っております。

皆さんから沢山の心配の声を頂きます。あのマネージャーさんがいなかったらあの子たち大変じゃないか!何も出来ないじゃないか!など。いえいえ、みんなしっかりした大人です。6人のうち半数はもう30代ですし、何も出来ない産まれたての子馬みたいに思う(いたい)方もいらっしゃるようですが、全然しっかりした、聡明な子達です。何も心配は要りません。リーダーえりかを中心にこれまでと変わらず皆で力と知恵を合わせて動き出しております。

最近では各地への遠征も本人達が社用車を運転して行っております。これに関しても長距離運転なんて危険だ!社長はあの子達になぜ危険なことをさせるんだ!とお叱りのメールやDMが頻繁に届きます。しかし本当にそうでしょうか。

車の運転というのは別に特殊なものではなく、誰でも運転免許は取得出来ますし、地方の方々でしたら家族全員一台ずつ車を持って毎日出勤の足にしているのが普通でしょう。当グループもメンバー6人のうち5人が免許をもっておりますから、一人100km交代しながら運転すれば大阪まで着いてしまいます。

高速道路なんて危ない!と申される方も多いのですが、交通事故が多いのは一般道の「交差点」です。高速道路は皆同じ方向を向いて走るだけですので信号も歩行者もなく、非常に単純なドライブです。無理にスピードを出さなくても良いのですし。仮に高速道路や長距離運転に危険のリスクがあるとするなら、それは高齢で身体に不具合の多い私や小松田の方がよほどリスキーで、若く体力に満ち身体能力も抜群に高(いのは彼女たちのステージングを見れば明らかですよね)く聡明な若者たちが交代しながら運転する方がはるかに安全マージンが高い事は言うまでもないでしょう。よくお考え下さい。なぜ初老のマネージャーの運転なら安全で、若いメンバーだと危険だと考えてしまうのか。

これはメンバー達にもよく言うことですが、自主運営も遠征の運転も、バンドマンなら皆当たり前にやることです。なぜアイドルになると何も出来るわけがないと考えてしまうのか。やれば出来るのにやらせてはいけないと考えてしまうのか。そもそも、エンターテイメントで人を感動させて食べていくという道を歩むことは、人が当たり前に考えていることの更に向こうを考えていかないと成し得ない仕事です。「出来ない」を言っていたらすぐに置いてかれる世界です。やれることは全てやる、特に今の厳しい時代はそれがマストですから、メンバーには力強く生きる術を学んでほしいと思っております。

まだまだ若く迷うことも多いガールズ・クワイア及び弊社ですが、この10年必死に前を向いて努力を続けて参りました。今後は更にメンバー同士の結束を固めて未来を切り開いてくれることでしょう。おぼつかない足取りに見えるかもしれませんが、そんな時は応援の声掛けをお願いします。

今後とも私たちファミリーを宜しくお願い申し上げます。

合同会社MACHIDA SONIC 代表 石田ショーキチ