写真：SNSに上がってたお客さん撮影のものと、琵琶湖の見えるSAでの記念写真
怒涛のツアー、「Play loud in June・六月は轟音の調べ」が無事終了しました。いや、決して無事では無かったのですが、なんとか全てが良い方向にまとまって（車の故障と修理も含めて）大変実りの多い旅でした。ご参加頂きましたファンの皆様には心より御礼申し上げます。この旅での最大の収穫は、舞台上での各自の音量のコントロールの重要性を思い知ったこと、これに尽きると思います。きっかけは京都磔磔でのリハーサルでした。
磔磔の舞台上手（カミテ、つまり向かって右側）にアップライトピアノがあるのですが、リハーサル時自分が弾くピアノの音が自分に全然聞こえてこない。音響さんに陳情すると、音響さんもピアノの音がマイクに全然乗らないと仰る。何故かと言うと舞台上の他の楽器の音が大きすぎてピアノのマイクに乗ってしまっているからと。なるほど。では皆さん、アンプの音量を下げましょう、というところなのですが、今まで爆音でしか鳴らしてこなかった我々はそう簡単に音量下げて演奏が出来ない（笑）。勿論ドラマーも（笑）。
ピアノ使う曲だけ音量下げたらどうかというメンバーもおり、おいちょっとまて、そんなことしたら配信で見てる人は曲によって音量上がったり下がったり酷いことになるんだぞ、とか、まあなかなか素直に音量下げましょうとはならないところがバンドマンの可愛らしいところで（笑）、こんな簡単なことがなかなかすんなり通らずになんとか全員音量を下げることで合意して、本番を迎えました。そんな具合で演奏した磔磔のライブはちょっといつもと勝手が違うこともあって各自ややぎこちない演奏になってしまった面もありますが、これが大きな試金石となったのです。
翌日の大阪ムジカジャポニカは舞台が大層コンパクトなので各自が爆音出したら全てが破綻するのは言うまでもなかったので、最初から各自音量を控えめにリハーサルを始めました。前日の演奏から小音での演奏には免疫がありましたので。
すると。
本当に予想外だったのですが、ムジカジャポニカの舞台上モニターの環境が素晴らしく、歌が死ぬ程良く聞こえるのです。まるでレコーディングの歌録り時のヘッドホンで自分の歌を聴いているかのような聞こえっぷり。ワオ。ビックリクリクリクリビーツ。30年以上バンドやら何やらやってきて、こんな素晴らしい環境で歌えるなんてあり得ませんでした。
若い頃から舞台の上には爆音で鳴らす猛者達が轟音を奏で、自分のギターが聞こえなくなるから自分のアンプも音量上げて、そうなると当然自分の声は聞こえにくくなるから大声で歌う習慣がついて、結果レコーディングとは全然違う豪胆な歌を歌うことになるがライブとはこういうものなのだと教え込まれて生きてきた自分が、こんなにはっきり細かいところまで聞きながら歌える環境は信じられない出来事でした。
リハーサル中コージローが「まるでCD聴いてるみたいな歌ですよ！凄いですね！」と叫びました。今まで一番デカい音を鳴らしていたギタリストがこの事実に喜び（笑）、私も勿論嬉しくなりました。この日の本番は大変充実したものになりましたし、これを踏まえてのファイル町田Nutty’sも同じように舞台中は小音で外音はPAで轟音にと言う方法が結実しました。折しもNutty’sは音響システムを一新したばかりでとても良い音に生まれ変わっていましたので、ご来場の皆さんは最高の音場とレコーディング時のような細かいニュアンス表現の歌とをご体験頂けたのではないでしょうか。
その試金石となった京都磔磔の配信です。6/30(木)23:59までアーカイブがご覧頂けます。（購入は6/30(木)21:00まで）
https://twitcasting.tv/kyoto_takutaku/shopcart/155874
楽器の音量や歌のこともそうなんですが、亡き親友zoeの形見のフライングVのネックがいよいよ反り切ってしまい（恐らく車内の熱が要因）、ギターソロのハイポジションで音詰まりをおこしてしまっているのもこの映像で確認でき（それまでは自分の弾き方つまり根性が足りなくて弾けてないのだと思っていた）、大阪と町田ではコージローに貸すつもりで持ってきたファイアバードに持ち替えこれも大正解でした。もう何年も出番がないギターだったので本気でヤフオクで売り飛ばそうと思っていたので、本当に持っていて良かったと思いました。
人間、何十年生きても勉強の連続ですな。ほんとに。
今回、全国あちこちから沢山の皆さんに各地のお店にお越し頂きました。本当にありがとうございます。直接お会い出来たこと、その場でしか起こらない音を体験して頂けたこと、かけがえのない時間を共有出来たことに心より感謝します。
もう次の日曜日から、広島から鹿児島の自転車ツアーが始まります。熱中症対策の要は朝ごはんの味噌汁と梅干しと肝に命じました。各地でお会い出来ますこと楽しみにしておりますが、残念なことに福岡以外はあんまりチケットが売れていません。特に熊本が寂しいですね。もう少し伸びてくれると嬉しいのですが。お一人お一人、丁寧にご挨拶して顔を覚えて帰るようにしています。この時期に来てくださった事、ずっと忘れないと思います。本当にありがとう。
チケットはこちら。
追伸：4/12にまほろ座 MACHIDAで行いました私のバースデーライブ「54th GROOOVE!!!」の映像、DVDにしようと頑張っています。一部と二部とやりましたが一部はカバー曲が多く権利関係のクリアに時間がかかるのでひとまず二部の方だけ編集してテストプレスを行っております。こちらテスト盤ではありますが広島-鹿児島のツアーのお土産として販売出来ればと急ぎ奮闘しております。お土産ですので通販はしない方向です。宜しくご査収の程お願い申し上げます。
