北海道東北自転車ツアー・三日目

6/10月曜日。まだ小雨が残る長万部。海岸にて撮影した動画、朝七時。この顔、やる気のなさ全開。

 

前日に雨と寒さの中、登ったり降ったりを繰り返すと翌日に疲れがかなり残る。

今日は函館まで120km走って、そこからフェリーに乗って人生初の青森に上陸の予定。青森ではお久しぶりにお会いする、ブラウブリッツ秋田の熱烈サポーター安食ご夫妻が待ち構えている。ご夫妻とはもう十年も前に秋田県は能代市にて開催されたノシロックフェスティバルに出演した際に知り合い、交友を続けて頂いている。近年仕事の都合で隣の青森に移住され、青森の情報を色々と下さる。

その中で面白いのが、青森の新聞テレビ等々で我がFC町田ゼルビアの試合結果など非常に多く報道されていて青森県民はゼルビアに非常に関心があるのだそうだ。

何故か。

言うまでもなく黒田監督である。青森山田高校サッカー部を常勝名門チームに育て上げた黒田監督は青森では一大ヒーローなのである。それ故黒田監督が現在指揮をとっている我が町田ゼルビア、これは青森県民にとって大注目のクラブチームで、青森県内のカフェやバーでゼルビアの試合のパブリックビューイングがよく行われているという。

そうしたパブリックビューイング会場の1つ、あんてな青森さんと言うカフェにご夫妻はよく行っているということで、しかもなんとこのカフェは自転車に乗る人が多く集うカフェで、自転車のチームもあると言う。イベントやツーリングもよく開催されていると言うことで、青森の自転車乗りの聖地らしい。

https://www.facebook.com/antenna.aomori

そこで安食ご夫妻は、ゼルビアの古いサポーターである私が自転車で北海道からライブをしながら旅をするとこちらのお店で話してくださったもんだから、ここのご店主菊池さんとお店の常連の佐々木さんが、青森から秋田への奥羽山脈越えをサポートして下さるという有難いお話になったのでした。多謝!!

で、安食ご夫妻が私と皆さんが連絡を取れるように立てて下さったメーリングリストにて本日私が函館から青森に渡ると申したところ、夜に一席設けて下さるということになりました。これは嬉しい有難い、なにしろいつも一人旅なので旅先の店は殆どGoogleマップを頼りに訪問するのが常なので、地元の方に美味しいお店に連れて行ってもらえるのは最高なのである。

ところが、フェリーというのはそんなに都合よく出来ておらず、運行する会社が二社あるものの、両社あわせても運行間隔が3時間おきなので、そんなに都合のいい便がない。

皆さんと19時に飲み始めようと思うとすると、18:25青森着のフェリーに乗らなければならないがこれが14:35函館発で、自転車を乗せてもらうには出船45分前に手続きをしなければならないので13:50に函館着、長万部から120km走ってこの時間に函館というのは私の足では完全に無理。

次のフェリーだと17:30発で21:10青森着、これなら間に合いそうだが九時過ぎまでお待たせして飲み会って我々のような酒の妖怪のような種族ならまだしも一般の清い肝臓をお持ちの皆様にこれはちょっと酷ではないか。しかしどんなに急いでもこれしか乗れないので、遅くなりますがすみません、と皆さんにご連絡し、自転車乗船のために16:45までに函館港に着かなければならないスケジュールが確定した。

普通に走れば朝7時に出発して16時前には120km先まで着きそうなものだが、なにしろ前日の疲れというか寒い雨の中を走った精神的疲労度が半端なく、足がとにかく回らない。自転車がなんか乗りにくくて仕方がない。辛い。進まぬ。うぐぐぐ。こんなんで間に合うのか。

長万部から八雲と南下する国道5号線は海岸線、アップダウンは殆どないものの回らない脚、かつては栄えていたであろうこの道の両側にいくつものカニ飯屋ドライブインの廃墟群、コンビニすらない国道。北海道各地で見られる荒廃した姿がここにも。

長万部から20kmほど走って(普通なら1時間で走る距離なのにこの日はここまで2時間近くかかっている)黒岩駅で休憩。

ここで何気なくサドルを見ると、何故か4cmくらい後ろにズレているではないかー!そりゃ乗りにくいわけだ。工具を取り出してサドルをリセット。乗りやすくなった。

まっすぐ南下していた国道5号線がカーブしながら東に向かうと俄然アップダウンというか海岸線が丘陵地帯になり登っていく。それほど辛くはないがなにしろダルい。

長万部から57キロ走るのに5時間もかかって、ドライブインやかたで昼食。ほたてフライ定食。絶品。

朝7時から5時間走ってまだあと60km残しており、これを4時間程で走らなければならない。出来るのか、今日の俺に。こんなダルダルでダメな俺に。

そんな折、メーリングリストに安食のチカコ姉さんから入電。

「師匠、新幹線という手があります!」

え!新幹線?考えても見なかったが、たしかに新幹線でも青森に渡れる。おー。新幹線。時刻表を調べてみると、17:26新函館発に乗ると、1時間で青森につくではないか!これなら皆さんをお待たせしない!しかもなにより、新幹線の発駅である新函館駅は函館港よりも20kmほど北(手前)なので、20km短縮出来てあと40kmだけ走ればよいということになる。至れり尽くせりである。最高!!新幹線最高!!!

チカコ姉さんの文は更にこう続いていた。

「師匠、17:26の新幹線に乗るには16:55函館駅発の函館ライナーに乗ればOKです!!」

???

函館駅?なんで?ワシは直接新函館に行こうとしてるのに?なんで函館行かんとならんの?20kmも無駄に走って??更に20km戻るの??

ハッ!

っと我に帰る。チカコ姉さんは、石田は「日本縦断の旅」をしているのだから北海道最南端の函館まで行くに違いない、行って当然だと思っているのだ!途中で近道して函館に行かず新幹線に乗るなどあの石田ショーキチがやるわけないと思っているのだ!なんということか!俺は縦断という使命をわすれてショートカットしようとしていた!こんなヘタレ精神で何がロックか!何がユーラシアか!大陸の名前が泣くぞ!!クソっ!

ガチっとスイッチが入る音が脳内で鳴りまして。そこからの道程、ガチ漕ぎに漕ぎまくり、時速35kn巡行でミサイルのように走りました。この一件を「チカコという名のトップギア」と申します。チカコ姉さんのお陰で私は鬼の形相で函館まで走り切る事が出来ました。ありがとうございました。

途中に見た美しい駒ケ岳駅と駒ケ岳。

16:30、函館駅着。

自転車をバラして輪行を組み、16:55函館ライナーに乗車。新函館で新幹線に乗り換え、人生初の青森県に上陸。

お連れ頂いたお店は笑顔亭。どれを食べても美味でした。


美しい津軽びいどろのタンブラーで頂いた日本酒も最高でした。ご案内頂いた皆様、ありがとうございました。


びっくりしたのはあんてな青森常連客の佐々木さん。遅れてきた彼が着ていたのはなんと2004年に少数販売したMOTORWORKSのツナギであった!!驚き!!

この日のリザルト。お疲れ様。四日目につづく。