北海道東北自転車ツアー 七日目〜最終日

まずは秋田から山形の豪雨災害の被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。このブログにて走ったまさにその地域のことで、大変胸が痛みます。どうぞ早くの復興をお祈り申し上げます。

6/14金曜日、旅七日目。辛い目にあった一夜が明け、この温泉旅館での朝食。朝食がきちんとしてるか否かは宿の評価を大きく分ける。ここは勝ちでした。朝メシは、勝ち。

因みに私は体質的にパンが食べられないので和食しか受け付けないのだが、ここのところ全て和朝食の宿ばかりで助かっている。

出発前の恒例行事のタイヤ空気圧測定。足りなければ携帯型のインフレーターでエアを足す。今回のタイヤ(コンチネンタルスプリント)は非常に優れたタイヤで乗り心地もグリップも高い性能ながらエアがあまり減らない。高級なタイヤになればなるほどエア抜けが激しいのがチューブラータイヤの常なのだが。

タイヤにちょっと空気を入れるだけで汗だく。まだ8:50なのに。なんだこの暑さは。

 

昨夜あんなに苦労した坂も降りるのはあっけなく、出発して40秒で最上川の橋の上。美しい。

 

本日のルートは国道47号線を最上川に沿って東に、新庄市を抜けて奥羽山脈アタックでいよいよ宮城県に入り、鳴子温泉までの行程。

最上川沿いの国道は風光明媚で大変気持ちがよい。道の駅ならぬ川の駅に立ち寄ったり。

 

 

とにかく暑い一日だった。何度も道の駅で休憩して水分補給となんなら座ったまま少し眠ったりもしたが、川沿いの道は涼しげで宜しい。

 

 

新庄市のしらかは食堂で中華そばを頂く。実に美味しい。

 

 

新庄市を出てどのくらい走ったか、いよいよ山岳ルートになる。県境まで34km。

 

 

ここは地獄のテーマパークか?と思いきや、韓国の建物様式を並べたという道の駅。レア。

そしていよいよ、宮城県との県境が近づいてきました。

そして、峠越え。境田分水嶺というこの峠。

 

越えました。標高も354mとかなり低く、非常にあっさり峠を越えてしまいました。峠付近まで民家や店舗も点在していて普通の田舎道、激坂も皆無でいわゆる峠越えのカタルシスは無く、スルッとカジュアルに県境を超えてしまいまして、ちょっと肩透かしでしたが、ファンの皆さんから頂いた沢山の熊よけの鈴の効果もあって安心して宮城県境に入ることができました。大量の熊鈴のサウンドをどうぞ。

 

ここから今日の停泊地・鳴子温泉までは10キロ程度なので、程なくして鳴子温泉にスルッと到着。16時頃か。

 

鳴子温泉駅。

 

ナイス。

 

そして。またしてもキテレツな宿を引いてしまいました。この私の宿の引きの強さはなんなんでしょうか。ほんとに。

この温泉旅館を予約したのはもう二ヶ月程前のこと、じゃらんに掲載のプランからで、予約してから一週間くらいして電話がかかってきて、チェックインは8時なのかと聞くので、はい、自転車で峠越えしてくるので何時に着けるかわからないので8時にしてます、と答えると、その時間だと夕食が作れないと言う。は?だってプランに載せてるでしょと言うと、もっと早いチェックインなら作れるが8時だとちょっと無理だと言う。料理人が帰ってしまうのか、まとめて作らないといけないから一人だけ遅くできないのか、理由はわからないがとにかく無理だと言う。仕方ないので、じゃあ夕食分は返金してください、自分で外で食事に出るので。近くに何かあるでしょ?温泉街なんだから、と言って話を終えた。

変な宿だとは思っていたが。着いてみるとまたみるも見事にボロいホテル。早めに着いてしまったが中に入ると「今留守にしていますので、こちらのインターフォンから内線をかけて下さい」とボール紙に汚い字で書かれている。その内線番号が最初が0で、そのあと090から始まって11桁。完全にゼロ発信で携帯電話にかける外線電話である。どこが内線だよ。施設内にスタッフはおらず。なんじゃそりゃ。

電話すると、あー石田さんね、早かったですね、お部屋用意してありますから入ってください、と。更には、明日の朝食は何時にしますかと言うので七時でお願いしますというと8時じゃだめですか、頑張っても7時半ですね、という。じゃあこっちに聞くなよ(笑)。8時に朝食なんて自転車の旅には遅すぎるが、仕方ない。

で、鍵が空いている当該の部屋に勝手に入る。オートチェックイン(笑)。まああちこちボロいホテルだがまあ文句は言いません、部屋は普通に綺麗だし。とりあえず温泉に入るが大浴場もボロボロでシャワーも出が悪くてまあ仕方ないですねえ。

宿の中を歩き回ってみると廊下に前の日の下げ膳が出たまんまの部屋が散見、なかなかだなー。洗濯をしようと一階にいくと、「コイルランドリー →」の看板があるので行ってみるとコインで動く客向けの洗濯機は既に無く、宿のスタッフが使う用の洗濯機が3台あった。誰もいないのでその一台を借りて勝手に洗濯を済ませる。これはラッキーだったが。

日も暮れたので付近に食事にでる。普通の民家を改装した品のいい居酒屋のカウンターにて晩酌。自分ではまず注文しない鮎がお通しで出てくる。何十年かぶりの鮎。

 

30代半ばか40歳かくらいの旅の女性が来店、カウンターの一つ空けて向こうの席に座り、色々話しかけてくる。正直言ってこう言うのちょっとめんどくさいんだが相手をしていると、温泉マニアで休日はあちこちの温泉宿に旅しまくっているのだという。どこの宿に泊まっているのかとグイグイくるので、あそこのボロホテルだというと、自分も以前泊まったがあそこは酷い!という話がマシンガントークとなり止まらない。二泊して夕食の内容が全く同じだったとか一日は朝食を忘れられたとか。先程の朝食は8時じゃないと無理と言われた件を話すと店の女将さんが「あそこは朝お母さんが作りにくるからねえー」ってどうなってんのほんとに(笑)。お母さんの都合で客の飯の時間が決まる(笑)。内線と見せかけた外線電話の話をすると、もう宿の経営が全然ダメなので外にバイトに出てるようで、朝は掃除と片付けで宿に来るがあとは外で働いているんだと言う。8時チェックインで夕食出せないのはバイトに行くから作れないのだった。もう、なんていうか、同情したらいいのか、辞めるべきだと言った方がいいのか、レアな宿に泊まれたと喜ぶべきなのか、俄然混乱してしまって変な笑いが出た。

この居酒屋、小綺麗だし女将の品もよくて居心地は良かったが所謂小料理しかない感じだったので(女性客の相手もちょっと疲れたし)何か食べにと店を出ると二軒隣に中華料理屋があった。入ってみると先客がカップル2名、すいませーんと言うも人は出てこず、しつこくすいませーんというとようやく長髪を後ろで結んだ無精髭の中年男が煩わしそうに出てきて「はい?」という。はい?って。俺なんか悪いことした?「もう終わりなの?」と聞くと「はい」と聞こえるか聞こえないかギリギリの声量で言う。まだ7時半だぞ。俺の何が気に障ったのか知らんが、歓迎されないならまあこちらも居たくはない。宿に戻ってちょっと飲んで寝た。七日目はこれで終了。

6月15日土曜日。自転車旅最終日の朝である。

8時の朝食まで時間があるので大浴場に向かう。すると廊下をこれから洗濯するぐるぐる巻きに巻いたシーツを抱えたおっさんが歩いてくる。長髪を縛って無精髭。昨日の中華屋の中年が働いてる。なんなんだこの町は(笑)バイトなのか善意のボランティアなのかはたまた実は家族なのか。

風呂から上がって暫く、時間は8時10分を回った頃、宿の主人がいやー昨日はすみませんでしたねーと言って朝食のお膳を持ってきた。全然遅い。内容もショボ。


9時前に宿を出る。1500m先のコンビニで不要な荷物を家に送るため段ボール箱を抱えながらの片手運転はなかなかスリリング。最終日、仙台に向けて出発、今日もご安全に。

 

途中、人生5本の指に入る中華そばに出会い大層感動。

昼食後、暑さがきつく脚が回らなくなる。

下手をするとライブに間に合わなくなる。急がなきゃ。そうだよ、今日はライブやるんだよ。

あと20km

 

 

 

 

そして、、たくさんのお客さんにお迎え頂いて、大団円のゴール!

会場のCafe de Licilleにてセレモニーで皆さんにお祝い頂く。というか盛大に弄られる。by FUMIHIRO ENDO。

御店主が用意して下さったミディアムスケールのストラトを弾いたり自分の12弦アコギを弾いたり、たっぷり演奏しました。

遠藤さんがホストを務めてくれたお陰でいい旅の終わりになりました。

ゴールした翌日は仙台といえば蕎麦の神田で。

 

沢山のお客さんからゴールのテープ(豪華なプリント入り)やこれまでの自転車の旅の地図が書かれた巨大なタペストリーや金メダルザクザク頂いて、私は本当に幸せです。更に面白いことに、お客さん有志の方々から「お車代」なる一封を頂く。中にはなんと最上川沿いの温泉旅館でメシに有り付けずタクシーを走らせた「4020円」が!!!面白い!!!

2020年、ごく個人的な思いから始めたこの自転車の旅ですが、まさかの日本縦断までしてしまうとは思ってもみませんでした。自転車の一番凄いところ「乗り手が諦めない限り自転者は何処まででも走り続けてくれる」即ちこれまさに人生の投影、これが少しでも伝わったらいいな、と思っています。

一つの旅が終わりました。次の旅はどこに行くのかわかりませんが、また何処かの町でお会いできたら嬉しいです。その時まで皆さんもお元気でいて下さい。

 

Fine.  Thanx to all.